「ボスマネジメント」とは一体なんなのか、ということについて前回お話してきました。
上司との関わり方も、人それぞれスタイルがあると思います。
ボスマネジメントを実践するうえで、まずは自分が上司とどのように関わっているかを
把握することが重要です。
上司との関係がうまくいっていないという人が陥りやすいタイプは、
大きく2つに分類できます。
1つ目が「反依存型」です。
これは、上司の権威に反発し、上司を敵と捉えているようなタイプです。
上司は部下を管理する立場にあります。
その性質上部下は上司に対し、上司としての機能を果たすことを求める、
という構図が生まれやすくなります。
しかし、もしも上司が思うような機能を果たしてくれなかったとしたら。
「(上司の)○○さんがきちんと指示をしてくれないから、仕事が進まない」
「○○さんはえらそうにしているだけで、私に仕事を任せてばかりだ」
というように上司の行動や態度を否定的に捉えます。
そして、反発心が膨らみ対立に発展することもあります。
この反依存型タイプの場合、上司と常に緊張状態が続き、協力関係を築くのは
難しくなります。
2つ目が「過剰依存型」です。
これは、上司に従順であろうとするタイプです。
たとえ上司の指示に疑問があったり、むっとしたりしても、反対意見を言うことなく
追従してしまうのです。
このタイプは従順なだけでなく、上司に過剰な期待を持ちます。
「上司は自分のことをきちんと把握してくれている」
「上司は自分のキャリアについていつも考えていてくれる」
「上司はすばらしいアイデアや答えを持っているはずだ」
実際には上司も人間ですから完璧なはずはないのですが、
上司への期待が大きくなり、部下が上司に過剰に依存する、という関係に陥ります。
そして、部下自身が自ら考えたり判断したりすることが難しくなってしまうのです。
反依存型、過剰依存型、どちらも、自分の中の上司像、上司とはこういうものだ、
というイメージで判断をしています。
これは極端な例ではありますが、
自分の反依存度、過剰依存度はどのくらいか?
ということを考えてみると、自分のタイプがみえてくるのではないでしょうか。
※参考文献 Harvard Business Review 2010 vol.5
2011/10/05
マネジメントに必要な能力 「カッツ・モデル」
マネジメントをする際に必要なスキルには一体どんなものがあるでしょうか?
今日は、マネジメントの人材開発を論じる際にたびたび引用される
ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏がまとめた「カッツ・モデル」について
取りあげたいと思います。
「カッツ・モデル」では、まずマネジメントに必要な能力を、
①テクニカルスキル
②ヒューマンスキル
③コンセプチュアルスキル
の3つに分けて考えます。
①テクニカルスキル
②ヒューマンスキル
③コンセプチュアルスキル
の3つに分けて考えます。
テクニカルスキルとは、担当業務を遂行する上で必要な知識や技術のこと。
ヒューマンスキルとは、仕事上の人間関係を構築する技術で、
人を観察、分析し、望ましい働きかけを選択、実行する技術のこと。
コンセプチュアルスキルとは、仕事を取り巻く状況を構造的、概念的に捉え、
取り組むべき課題の本質を見極める技術のことです。
では、これら3つのスキルのうち、どれが重要なのでしょうか?
それは、「マネジメントレベルによって異なる」というのが、カッツ氏の答えです。
つまり、あなたが後輩の育成担当に指名されたときと、晴れて管理職に昇進した際と、
ついに役員に就任したときとでは、注意を向けるべきスキルが異なるということです。
具体的には、下の図を見てください。
マネジメントレベルが低いときにはテクニカルスキルが重要になり、
マネジメントレベルが高くなるほど、コンセプチュアルスキルの重要度が増します。
そして驚くべきは、ヒューマンスキルだけは、常に重要であるということです。
あたりまえと言えばあたりまえのことですが、人間関係構築については
組織で働く以上、常に研鑽し続けなければいけないことを物語る
重要な考え方とも言えます。
つまり、何か一つのヒューマンスキルを学習し、身につけたからと言って
それで終わりということではなく、ヒューマンスキルの研鑽は、
仕事人生を通じて継続していくべきものであるということなのです。
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