3 組織におけるボスマネ

(3)組織においての効果とは

組織において、ボスマネジメントによってもたらされる効果とは、何でしょうか?
それを一言で表現するならば、「情報の疎通性が飛躍的に向上する」ということです。
具体的には、
  • 日々刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速な意思決定を行えるようになる
  • マネジメントラインの意思疎通が確実に取れ、組織としての一体感が増す
  • 経営に対する現場の信頼感が増し、前向きな提案が上がりやすくなる
などという例が挙げられます。

組織構成員のボスマネジメント力が向上すると、上司とのかかわりが能動的かつ
戦略的になり、 上司を通じた情報の流れがスムースになることで、
上記のような効果がもたらされるのです。

では、この効果を確実に手に入れるためのポイントはあるのでしょうか?

それは、真っ先に、管理職のボスマネジメント力を高めることです。
なぜなら、管理職は、経営と現場のハブ(結節点)としての機能を持ち、
組織が成果を上げるために必要な情報(経営情報と現場情報)が集まりやすい
立場だからです。

それを証明する、あるケースをご紹介しましょう。  

case :業績好調な部門のトップであるA部長の元に、あるときB課長が配属されてきました。

ところが、AさんとBさんは馬が合わず衝突を繰り返し、BさんはAさんを避けるようになりました。

それからしばらくの間、Bさんは多くの時間を部下のマネジメントに費やし、
Bさんの部下たちもそんな面倒見の良いBさんを慕って
うまくいっているように見えたのですが…

BさんがAさんを避けるようになったことで、情報の流れが遮断され、
組織が成果を上げるために必要な行動や優先順位がBさんに伝わらなくなっていきました。

影響は、課長のBさんに対してだけでは ありませんでした。

Bさんの部下全員の業績が下がるばかりか、その影響でAさん率いる部門全体の業績も
大幅に低迷することになってしまったのです。

これは、多少極端な例ですが、相性の良くない上司と部下が一緒に仕事をする
ケースは そんなに珍しいことではないと思います。

しかし、それを性格の不一致だから仕方がないと諦める のではなく、
人事施策としてボスマネの考え方を用いることで、解決できる課題といえるでしょう。

(1) ボスマネジメントとは
(2)部下にとっての効果、位置づけとは
(4) ビジネススキルにおけるボスマネジメント力の位置づけとは