職場の人間関係をマネジメントする上で前提となるのが、
マネジメントを実践する時間を確保することです。
日々目の前の業務に忙しくしていると、
わざわざ人間関係構築のために割く時間はない、
という気持ちになってくるかもしれません。
しかし、時間がなくて「ボスマネジメント」ができないとします。
そうすると、
上司との関係は良くならない、
上司から突然無理な依頼を受けて忙しくなる、
忙しいのでさらに時間がなくなる、
というような悪循環から抜け出すことはできないでしょう。
人間関係構築のために割く時間がないのであれば、
積極的に作っていくことをお勧めします。
そのためには、自らの仕事を戦略的に仕組化していく
必要があるでしょう。
限られた時間の中でどの業務にどのくらい時間をかけるか、
という予定を組むのです。
そしてその予定の中で人間関係構築のための時間を確保しておけば
よいわけです。
予定を組むためには、まず自分の業務全体の分類と、
それぞれの所要時間を見積ることができなくてはなりません。
入ってきた業務に五月雨式に対応していると、
予定を立てることはできません。
また所要時間を見積ることもできないので業務の締切を正確に設定できず、
常に時間がないという状態が生まれてしまうのです。
業務を分類し、業務に応じて日、週、月で予定を立てていくと、
業務それぞれの所要時間の見積りも精度を増していき、
さらに適格な予定が組めるようになっていきます。
そして、業務の1つとして人間関係構築の時間を組み込むわけですが、
その際には具体化された行動に落とし、
かつ所要時間の見積りをしていく必要があります。
業務にボスマネジメントの時間を組み込んでいく場合、
例えば下記のような予定を立てます。
月曜:上司関連時間(上司との打合せ)/1時間
上司関連時間(上司からのリクエストを処理する時間)/2時間
金曜:上司関連時間(上司に翌週月曜の打合せで伝えることの整理)/30分
月曜の打合せ後にほぼ毎回のペースで上司から何等かの依頼があり
それに対応する時間が求められるのであれば、それは予定として
組み込んでおきます。
そうすると、毎回突発的な業務が発生する、とはならず、
それを見越した業務の組み立てができるようになるわけです。
また、上司との打合せに戦略を立てて臨む体制を作るため
事前の検討時間を用意しておく等も、ボスマネジメントを予定に
組み込む一つの方法でしょう。
人間関係構築というと抽象的なものとして捉えられがちですが、
戦略性を持って実行し続けていこうとする場合には
行動内容の具体化と、時間を意図的に確保していく、
ということが重要です。
【参考文献】
※『ルーチン力』佐々木正悟著(翔泳社)