前回「ボスマネジメントとは」の最後に、
組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だということについてお話しました。
組織において、ボスマネジメントによってもたらされる効果とは、何でしょうか?
それを一言で表現するならば、「情報の疎通性が飛躍的に向上する」ということです。
具体的には、
・日々刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速な意思決定を行えるようになる
・マネジメントラインの意思疎通が確実に取れ、組織としての一体感が増す
・経営に対する現場の信頼感が増し、前向きな提案が上がりやすくなる
などという例が挙げられます。
組織構成員のボスマネジメント力が向上すると、上司とのかかわりが
能動的かつ戦略的になり、 上司を通じた情報の流れがスムースになることで、
上記のような効果がもたらされるのです。
ボスマネジメントだけで、そんなに効果があるだろうか?と
疑いを持たれた方もいるかもしれません。
では、ここで“ボスマネジメントがなかった”ことで
組織の成果を上げられなかったケースをご紹介したいと思います。
【ケース】
業績好調な部門のトップであるA部長の元に、あるときB課長が配属されてきました。
ところが、AさんとBさんは馬が合わず衝突を繰り返し、BさんはAさんを
避けるようになりました。
それからしばらくの間、Bさんは多くの時間を部下のマネジメントに費やし、
Bさんの部下たちもそんな面倒見の良いBさんを慕って
うまくいっているように見えたのですが…
BさんがAさんを避けるようになったことで、情報の流れが遮断され、
組織が成果を上げるために必要な行動や優先順位がBさんに伝わらなく
なっていきました。
影響は、課長のBさんに対してだけでは ありませんでした。
Bさんの部下全員の業績が下がるばかりか、その影響でAさん率いる
部門全体の業績も大幅に低迷することになってしまったのです。
これは、極端なケースではありますが、多かれ少なかれ馬が合わない
上司と一緒に仕事をしなければいけないことはあると思います。
その時に、ボスマネジメントの視点がないとその影響は組織全体に
広がってしまうということがイメージ頂けたのではないでしょうか。
次回のテーマは、「あなた自身のボスマネジメントタイプを知る」です。
ご期待ください。
2011/09/07
ボスマネジメントとは
ボスマネジメントとは、“上司とのかかわりを能動的かつ戦略的に行う手法”のことです。
一般的に、上司は部下に対して評価や指揮命令などの権限を持っているため、
部下は上司の指示やスタンスに“受身的”にならざるを得ません。
また、生産性向上の要請から、部下一人がこなすべき仕事量は増えているため、
上司とのかかわりを“戦略的”に行うほどの時間的、心理的な余裕がないのが
現実です。
まさにこの“2つの常識”を疑ってかかることが、ボスマネジメントの出発点となります。
「どうすれば“能動的かつ戦略的に”自分の上司とかかわることができるか?」
この問いを自分の中に内在化させることからボスマネジメントは始まります。
一方で、ボスマネジメントについてこんな思いを抱く人もいます。
「上ばかり意識するのは、社内政治ばかりやっている卑怯者のすることじゃないか?」
これは大きな誤解です。
ボスマネジメントの目的は、社内政治をうまく行うためでも、自分の評価を上げる
ためでもありません。
その本来の目的は、“成果”を上げることです。
ここで言う成果とは、いわゆる“成果主義人事制度”などで用いられる個人の
仕事上の成果や業績に限定されません。
P.F.ドラッカーは、その著書で次のような趣旨のことを言っています。
組織の成果とは、組織の使命を果たすことで社会に貢献することである。
組織で働く人の成果とは、組織が使命を果たすために必要な貢献のことである。
つまり、組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
利己的なものどころか、「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だと言えるのです。
次回は、「組織におけるボスマネジメントの効果」です。
ご期待ください。
一般的に、上司は部下に対して評価や指揮命令などの権限を持っているため、
部下は上司の指示やスタンスに“受身的”にならざるを得ません。
また、生産性向上の要請から、部下一人がこなすべき仕事量は増えているため、
上司とのかかわりを“戦略的”に行うほどの時間的、心理的な余裕がないのが
現実です。
まさにこの“2つの常識”を疑ってかかることが、ボスマネジメントの出発点となります。
「どうすれば“能動的かつ戦略的に”自分の上司とかかわることができるか?」
この問いを自分の中に内在化させることからボスマネジメントは始まります。
一方で、ボスマネジメントについてこんな思いを抱く人もいます。
「上ばかり意識するのは、社内政治ばかりやっている卑怯者のすることじゃないか?」
これは大きな誤解です。
ボスマネジメントの目的は、社内政治をうまく行うためでも、自分の評価を上げる
ためでもありません。
その本来の目的は、“成果”を上げることです。
ここで言う成果とは、いわゆる“成果主義人事制度”などで用いられる個人の
仕事上の成果や業績に限定されません。
P.F.ドラッカーは、その著書で次のような趣旨のことを言っています。
組織の成果とは、組織の使命を果たすことで社会に貢献することである。
組織で働く人の成果とは、組織が使命を果たすために必要な貢献のことである。
つまり、組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
利己的なものどころか、「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だと言えるのです。
次回は、「組織におけるボスマネジメントの効果」です。
ご期待ください。
2011/09/01
運営者紹介
私はライフワークとして、「ボスマネジメント」をはじめ、
周辺のマネジメント理論の探究を行っています。
本コラムでは、具体的なボスマネジメントの方法や
その他周辺のマネジメント理論をご紹介しながら、
「周囲の人の力を上手に活用して成果を上げる方法」
を探求していきたいと思います。
周辺のマネジメント理論の探究を行っています。
本コラムでは、具体的なボスマネジメントの方法や
その他周辺のマネジメント理論をご紹介しながら、
「周囲の人の力を上手に活用して成果を上げる方法」
を探求していきたいと思います。
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