前回「ボスマネジメントとは」の最後に、
組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だということについてお話しました。
組織において、ボスマネジメントによってもたらされる効果とは、何でしょうか?
それを一言で表現するならば、「情報の疎通性が飛躍的に向上する」ということです。
具体的には、
・日々刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速な意思決定を行えるようになる
・マネジメントラインの意思疎通が確実に取れ、組織としての一体感が増す
・経営に対する現場の信頼感が増し、前向きな提案が上がりやすくなる
などという例が挙げられます。
組織構成員のボスマネジメント力が向上すると、上司とのかかわりが
能動的かつ戦略的になり、 上司を通じた情報の流れがスムースになることで、
上記のような効果がもたらされるのです。
ボスマネジメントだけで、そんなに効果があるだろうか?と
疑いを持たれた方もいるかもしれません。
では、ここで“ボスマネジメントがなかった”ことで
組織の成果を上げられなかったケースをご紹介したいと思います。
【ケース】
業績好調な部門のトップであるA部長の元に、あるときB課長が配属されてきました。
ところが、AさんとBさんは馬が合わず衝突を繰り返し、BさんはAさんを
避けるようになりました。
それからしばらくの間、Bさんは多くの時間を部下のマネジメントに費やし、
Bさんの部下たちもそんな面倒見の良いBさんを慕って
うまくいっているように見えたのですが…
BさんがAさんを避けるようになったことで、情報の流れが遮断され、
組織が成果を上げるために必要な行動や優先順位がBさんに伝わらなく
なっていきました。
影響は、課長のBさんに対してだけでは ありませんでした。
Bさんの部下全員の業績が下がるばかりか、その影響でAさん率いる
部門全体の業績も大幅に低迷することになってしまったのです。
これは、極端なケースではありますが、多かれ少なかれ馬が合わない
上司と一緒に仕事をしなければいけないことはあると思います。
その時に、ボスマネジメントの視点がないとその影響は組織全体に
広がってしまうということがイメージ頂けたのではないでしょうか。
次回のテーマは、「あなた自身のボスマネジメントタイプを知る」です。
ご期待ください。