職場では、ほとんどの人に他者と連携するシーンがあるでしょう。
そして、連携する相手に対して
(もっとこういう動きをしてくれたら・・・)
(もう少しミスを減らしてくれないだろうか・・・)
ともどかしさを感じることはないでしょうか。
相手の仕事が、自分の仕事の成果に直結してくるとしたら、
なおさら強く感じるのではないかと思います。
相手の弱みはわかりやすく、目につきやすいものです。
では、そんな相手の弱みを片っ端から指摘して、改善を促せば
問題は解決するのでしょうか?
ベストセラー『さあ、才能に目覚めよう』の著者マーカス・バッキンガム氏は、
「人は、自信を持って仕事に臨むことにより、はじめて成果をあげることができる」
という主旨のことを言っています。(※1)
(自分にはうまくできないのではないか・・・)
(こんなことをしたら馬鹿にされはしないか・・・)
そんな心理状態で仕事に取り組んでも、
萎縮して行動に迷いが出たり、弱い自分を隠そうと去勢を張ったりして、
思うようにパフォーマンスを発揮できない。
強みを生かして最高のパフォーマンスを発揮することが
さらに次の仕事に取り組む自信を生み出していくというのです。
とはいえ、本当に弱みを無視していいのだろうか?
という疑問も残ります。
その疑問に答えるヒントになるのが、経営学者P.F.ドラッカー教授の
以下のような主旨の言葉です。(※2)
「人は強みを生かしてはじめて何かをすること、何かを達成することができ、
さらなる進歩のためにいかなる弱みを克服すべきかを考えることができる」
もし、あなたが周囲の人とのかかわりを「強み」からスタートできたなら、
相手の自信に繋がり、より良い連携のきっかけを作れるかもしれません。
相手の「弱み」を一旦脇に置き、「強み」に着目してみる。
まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
※1『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
マーカス・バッキンガム著 (日本経済新聞社)
※2『ドラッカー名著集2 現代の経営[上]』
P.F.ドラッカー著(ダイヤモンド社)
2011/11/16
視座を変えてみる
目の前の事柄を見る目には、
「視点」
「視野」
「視座」
の3つがあると言われています。
1つ目の「視点」とは、着目している点のことで、着眼点と意味は同じです。
例えば、レストランの床が汚れていたとします。
それを発見した店員が、
「なぜ床が汚れてしまったのか?」と床が汚れた理由に着目するのと、
「なぜ床が汚れたままで放置されていたのか?」と
床が汚れたままになっていた理由に着目するのとは、
視点が違う、ということになります。
2つ目の「視野」とは、見ている範囲のことです。
サッカーを例に考えてみます。
試合中、ミスをしないようボールさばきに集中し、足元を見てプレーするのと、
ベストなパスコースを見つけるために、フィールド全体を見ながらプレーするのとでは、
視野が違う、ということになります。
3つ目の「視座」とは、どんな立場から見ているか、ということです。
ここでは、社内公用語の英語化を例に、考えてみます。
立場によって、英語化の方針を耳にした際の反応が以下のように異なってきます。
営業担当者・・・そんなことをしたら、お客様からのクレームに繋がりはしないか?
採用担当者・・・海外の優秀な学生を採用するチャンスが増えるかもしれない。
海外事業部長・・・グローバルマーケットに力を入れていくという方針が本気で
あることを現地の取引先に示す好材料になるな。
誰かをマネジメントする上で、その相手がどんな立場からものを見ているかを
理解することはとても重要です。
そのことは、上司をマネジメントする際も例外ではありません。
上司の判断の背景を理解し、次の一手を的確に打つためにも、
視座を自由に変えられるようになれば、それは大きな武器になるでしょう。
次回のテーマは、「相手の強みを伸ばす」です。
ご期待ください。
2011/11/02
ストレスコントロールとボスマネジメント
某人材紹介会社のアンケートによると、
約8割の人が職場の人間関係について何等かの悩みを抱えている、
という結果が出たそうです。
そして、仕事において誰との人間関係にもっとも悩んでいるか、
という質問には、約6割の人が「上司」と回答しています。
職場の人間関係の悩みは、大きなストレスと言えます。
このストレスが膨らむと、職場を辞めることに発展したり、
さらには心身に影響が出てしまうというケースもあるでしょう。
上司をマネジメントするというボスマネジメントの考え方は、
上司との人間関係を自分がコントロールできるようになるということです。
ということは、上司との関係による悩み=ストレスの原因、
を自分でコントロールできるようになるということです。
スポーツ心理学者ジム・レーヤー氏の著書『メンタル・タフネス』では、
ストレスへの適切な対処方法、精神力の強化について書かれています。
その中でレーヤー氏は、脳内科学に関する研究結果を参照しながら、
“無力感の恐ろしさ”について下記のようにいっています。
「脳に望ましくない変化が起こるのは、ストレスにさらされることが原因
ではないと研究者たちは結論づけている。
ほんとうの原因は無力感だ。
“私にはどうすることもできない”という感覚を一度いだいてしまうと、
それ以降にストレスに襲われたとき、避けることも逃げることもできず、
どうしようもなくなりやすい。」
そして、何か問題が起きたときにビジネスパーソンがとるべき態度の
ポイントとして
「問題の原因を変えることのできる要素に求める。他人を責めたり、
無力感に身を任せない。」
ということを、挙げています。
上司との間で問題が生じたとき、その原因を上司の性質、
といった自分が変え難いものに向けてしまうと、
それ以上自分にはどうすることもできない、コントロールができない、
という無力感がわいてきます。
一方、問題の原因を自分の行動に向けると、それは変えることができます。
上司と部下との関係は相互に影響しあって成立していますから、
自分が能動的に行動を起こすことで、
上司と自分との関係を変えること、コントロールすることが可能になるのです。
上司との関係をマネジメントし、ストレスをコントロールすることは、
ビジネスパーソンがどんな状況下でも高いパフォーマンスを発揮するために
重要なことといえるでしょう。
約8割の人が職場の人間関係について何等かの悩みを抱えている、
という結果が出たそうです。
そして、仕事において誰との人間関係にもっとも悩んでいるか、
という質問には、約6割の人が「上司」と回答しています。
職場の人間関係の悩みは、大きなストレスと言えます。
このストレスが膨らむと、職場を辞めることに発展したり、
さらには心身に影響が出てしまうというケースもあるでしょう。
上司をマネジメントするというボスマネジメントの考え方は、
上司との人間関係を自分がコントロールできるようになるということです。
ということは、上司との関係による悩み=ストレスの原因、
を自分でコントロールできるようになるということです。
スポーツ心理学者ジム・レーヤー氏の著書『メンタル・タフネス』では、
ストレスへの適切な対処方法、精神力の強化について書かれています。
その中でレーヤー氏は、脳内科学に関する研究結果を参照しながら、
“無力感の恐ろしさ”について下記のようにいっています。
「脳に望ましくない変化が起こるのは、ストレスにさらされることが原因
ではないと研究者たちは結論づけている。
ほんとうの原因は無力感だ。
“私にはどうすることもできない”という感覚を一度いだいてしまうと、
それ以降にストレスに襲われたとき、避けることも逃げることもできず、
どうしようもなくなりやすい。」
そして、何か問題が起きたときにビジネスパーソンがとるべき態度の
ポイントとして
「問題の原因を変えることのできる要素に求める。他人を責めたり、
無力感に身を任せない。」
ということを、挙げています。
上司との間で問題が生じたとき、その原因を上司の性質、
といった自分が変え難いものに向けてしまうと、
それ以上自分にはどうすることもできない、コントロールができない、
という無力感がわいてきます。
一方、問題の原因を自分の行動に向けると、それは変えることができます。
上司と部下との関係は相互に影響しあって成立していますから、
自分が能動的に行動を起こすことで、
上司と自分との関係を変えること、コントロールすることが可能になるのです。
上司との関係をマネジメントし、ストレスをコントロールすることは、
ビジネスパーソンがどんな状況下でも高いパフォーマンスを発揮するために
重要なことといえるでしょう。
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