某人材紹介会社のアンケートによると、
約8割の人が職場の人間関係について何等かの悩みを抱えている、
という結果が出たそうです。
そして、仕事において誰との人間関係にもっとも悩んでいるか、
という質問には、約6割の人が「上司」と回答しています。
職場の人間関係の悩みは、大きなストレスと言えます。
このストレスが膨らむと、職場を辞めることに発展したり、
さらには心身に影響が出てしまうというケースもあるでしょう。
上司をマネジメントするというボスマネジメントの考え方は、
上司との人間関係を自分がコントロールできるようになるということです。
ということは、上司との関係による悩み=ストレスの原因、
を自分でコントロールできるようになるということです。
スポーツ心理学者ジム・レーヤー氏の著書『メンタル・タフネス』では、
ストレスへの適切な対処方法、精神力の強化について書かれています。
その中でレーヤー氏は、脳内科学に関する研究結果を参照しながら、
“無力感の恐ろしさ”について下記のようにいっています。
「脳に望ましくない変化が起こるのは、ストレスにさらされることが原因
ではないと研究者たちは結論づけている。
ほんとうの原因は無力感だ。
“私にはどうすることもできない”という感覚を一度いだいてしまうと、
それ以降にストレスに襲われたとき、避けることも逃げることもできず、
どうしようもなくなりやすい。」
そして、何か問題が起きたときにビジネスパーソンがとるべき態度の
ポイントとして
「問題の原因を変えることのできる要素に求める。他人を責めたり、
無力感に身を任せない。」
ということを、挙げています。
上司との間で問題が生じたとき、その原因を上司の性質、
といった自分が変え難いものに向けてしまうと、
それ以上自分にはどうすることもできない、コントロールができない、
という無力感がわいてきます。
一方、問題の原因を自分の行動に向けると、それは変えることができます。
上司と部下との関係は相互に影響しあって成立していますから、
自分が能動的に行動を起こすことで、
上司と自分との関係を変えること、コントロールすることが可能になるのです。
上司との関係をマネジメントし、ストレスをコントロールすることは、
ビジネスパーソンがどんな状況下でも高いパフォーマンスを発揮するために
重要なことといえるでしょう。