2011/12/14

強みからスタートする②

前回は、相手の「弱み」を一旦脇に置き、「強み」に着目してみる。

ということについて考察しました。


そこで次に、

相手の強みはどのように発見したらいいのか、

という問いがわいてきます。


その方法の1つ目が、相手を観察して発見する、です。


・Aさんは仕事の中でどんな点を重視しているか

・Aさんの仕事で質が高いのはどんなものか

・Aさんが優先して取り組むのはどんな仕事か

・Aさんが素早く処理するのはどんな仕事か


相手は仕事の中で何かしらのサインを発しているものです。

それを見逃さずに注意して観察してみる、ということです。


2つ目が、相手にツールを使って診断してもらう、です。


『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』
マーカス・バッキンガム(日本経済新聞出版社)

上記の書籍を購入するとアクセスコードが入手でき、WEB上で診断ができます。

これは、『ストレングスファインダー』と呼ばれる、ギャラップ社が開発した
強みの診断ツールです。


3つ目が、相手に直接きいてみる、です。


・Aさんがここ3か月で一番仕事が楽しかったのはいつか(時期)

・そのとき何をしていたか(行動)

・なぜそれがそんなに楽しかったのか(理由)


こうした質問を相手との会話の中に加えてみる、
相手と面談する機会があるのであればそこできいてみる、
という方法です。


どの方法をとるかは、相手と自分との関係によって
適しているものをみつけていくといいでしょう。


次に、相手の強みが発揮されるようになったにも関わらず
弱みの部分が仕事の成果を阻害していた場合は、
周りはどのように関わっていけばよいのでしょうか。

マーカス・バッキンガム氏は
「強みをむしばむような弱みは改善していく必要があり、
そのために4段階の関わりがある」と著書の中で言っています。


1.不足している仕事上のスキルや知識を身につけるよう働きかける

Aさんの仕事がうまくいかないのは才能の欠如ではなく
必要なスキルや知識が不足しているのだと捉え、
それを改善する働きかけをしていくということです。


2.弱みを補うパートナーをつけるよう働きかける

Aさんの弱みとなる事柄について、自分を含めそれを
強みとする人が補うことによって、成果を上げるための
働きかけを行うということです。


3.弱みを発現させない捉え方のコツを身につけるよう働きかける

例えば、人前で発表すると緊張してあがってしまうAさん。

発表の際「人から見られること」に対し緊張していたAさんが、
発表の場は「自分が人を見ている」場なのだと捉え方を変える。

こうすることにより、緊張を感じなくするコツを手に入れるということです。


4.配置、役割を変える

上記3つの方法を試しても弱みが成果を阻害し続ける場合、
仕事の内容を変えてしまうという、最終段階の方法です。


問題の原因がどこにあるのか見極めながら、
段階を踏んで関わっていくことが重要となるでしょう。


【参考文献】

※『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
 マーカス・バッキンガム著 (日本経済新聞社)