あなたは上司に、自分の意見をどのように伝えているでしょうか。
上司の決断に対し、
「自分の意見を抑えて納得したふりをする」ことがあるでしょうか。
もしくは、
「自分の意見を押し通そうと説得する」ことがあるでしょうか。
上記のいずれにもあてはならない
心理学をベースにしたコミュニケーション方法として、
「アサーション」という考え方があります。
アサーションは「自己表現」とも訳されますが、
アサーションでは自己表現の仕方を大きく3つに分類しています。
1.ノンアサーティブ(非主張的)
2.アグレッシブ(攻撃的)
3.アサーティブ
1つ目の「ノンアサーティブ」は、
自分の考えや感情を抑え、無理に相手に合わせてしまう態度です。
相手に配慮しているようにも見えますが、自分を抑えた感情は残り、
イライラしたり落ち込んだり、結果として欲求不満をためてしまいます。
2つ目の「アグレッシブ」は、
相手の言い分や感情を無視し、自分の意見を押し通す態度です。
激しい言い方をする、相手を責める、無視する、あえて反対の行動を取る、
巧みに相手を操作し自分の思い通りにしようとするなど、
攻撃的なあまり、最終的に相手の反発を招いてしまいます。
そして3つ目の「アサーティブ」は、
1つ目と2つ目の中間にある、自分の気持ちや考えを相手に伝え、
相手のことも配慮するやり方です。
自分の気持ち、考えを“率直に”、“その場にふさわしい方法で”表現します。
たとえ意見が異なっていても、そこから妥協案を探っていく態度です。
自分と仕事のパートナーである上司の間で、「ノンアサーティブ」や
「アグレッシブ」な関わりがされると、どちらか一方、もしくは双方に
悪感情が生まれます。
それが続くと、仕事をスムーズに進めること、質の高い仕事をすること、
本来目指すべき成果を上げることを阻害するようになります。
そうしたことに左右されないためには、上司に対してアサーティブな
関わりをしていくことは重要と言えるでしょう。
たとえ上司が、アサーティブではない対応をしていたとしても、
上司との関係は相互に影響して生まれていますから、
まずは自分がアサーティブな対応をすることから始めてみるのです。
では、具体的にはどのようなことを意識すれば、より「アサーティブ」に
近づけるのでしょうか。
次回は、アサーティブな対応をするための4つのポイントを
具体例を交えながらご紹介していきます。
【参考文献】
※『自己カウンセリングとアサーションのすすめ』平木典子著(金子書房)