前回は、相手の「弱み」を一旦脇に置き、「強み」に着目してみる。
ということについて考察しました。
そこで次に、
相手の強みはどのように発見したらいいのか、
という問いがわいてきます。
その方法の1つ目が、相手を観察して発見する、です。
・Aさんは仕事の中でどんな点を重視しているか
・Aさんの仕事で質が高いのはどんなものか
・Aさんが優先して取り組むのはどんな仕事か
・Aさんが素早く処理するのはどんな仕事か
相手は仕事の中で何かしらのサインを発しているものです。
それを見逃さずに注意して観察してみる、ということです。
2つ目が、相手にツールを使って診断してもらう、です。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』
マーカス・バッキンガム(日本経済新聞出版社)
上記の書籍を購入するとアクセスコードが入手でき、WEB上で診断ができます。
これは、『ストレングスファインダー』と呼ばれる、ギャラップ社が開発した
強みの診断ツールです。
3つ目が、相手に直接きいてみる、です。
・Aさんがここ3か月で一番仕事が楽しかったのはいつか(時期)
・そのとき何をしていたか(行動)
・なぜそれがそんなに楽しかったのか(理由)
こうした質問を相手との会話の中に加えてみる、
相手と面談する機会があるのであればそこできいてみる、
という方法です。
どの方法をとるかは、相手と自分との関係によって
適しているものをみつけていくといいでしょう。
次に、相手の強みが発揮されるようになったにも関わらず
弱みの部分が仕事の成果を阻害していた場合は、
周りはどのように関わっていけばよいのでしょうか。
マーカス・バッキンガム氏は
「強みをむしばむような弱みは改善していく必要があり、
そのために4段階の関わりがある」と著書の中で言っています。
1.不足している仕事上のスキルや知識を身につけるよう働きかける
Aさんの仕事がうまくいかないのは才能の欠如ではなく
必要なスキルや知識が不足しているのだと捉え、
それを改善する働きかけをしていくということです。
2.弱みを補うパートナーをつけるよう働きかける
Aさんの弱みとなる事柄について、自分を含めそれを
強みとする人が補うことによって、成果を上げるための
働きかけを行うということです。
3.弱みを発現させない捉え方のコツを身につけるよう働きかける
例えば、人前で発表すると緊張してあがってしまうAさん。
発表の際「人から見られること」に対し緊張していたAさんが、
発表の場は「自分が人を見ている」場なのだと捉え方を変える。
こうすることにより、緊張を感じなくするコツを手に入れるということです。
4.配置、役割を変える
上記3つの方法を試しても弱みが成果を阻害し続ける場合、
仕事の内容を変えてしまうという、最終段階の方法です。
問題の原因がどこにあるのか見極めながら、
段階を踏んで関わっていくことが重要となるでしょう。
【参考文献】
※『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
マーカス・バッキンガム著 (日本経済新聞社)
2011/11/30
強みからスタートする ①
職場では、ほとんどの人に他者と連携するシーンがあるでしょう。
そして、連携する相手に対して
(もっとこういう動きをしてくれたら・・・)
(もう少しミスを減らしてくれないだろうか・・・)
ともどかしさを感じることはないでしょうか。
相手の仕事が、自分の仕事の成果に直結してくるとしたら、
なおさら強く感じるのではないかと思います。
相手の弱みはわかりやすく、目につきやすいものです。
では、そんな相手の弱みを片っ端から指摘して、改善を促せば
問題は解決するのでしょうか?
ベストセラー『さあ、才能に目覚めよう』の著者マーカス・バッキンガム氏は、
「人は、自信を持って仕事に臨むことにより、はじめて成果をあげることができる」
という主旨のことを言っています。(※1)
(自分にはうまくできないのではないか・・・)
(こんなことをしたら馬鹿にされはしないか・・・)
そんな心理状態で仕事に取り組んでも、
萎縮して行動に迷いが出たり、弱い自分を隠そうと去勢を張ったりして、
思うようにパフォーマンスを発揮できない。
強みを生かして最高のパフォーマンスを発揮することが
さらに次の仕事に取り組む自信を生み出していくというのです。
とはいえ、本当に弱みを無視していいのだろうか?
という疑問も残ります。
その疑問に答えるヒントになるのが、経営学者P.F.ドラッカー教授の
以下のような主旨の言葉です。(※2)
「人は強みを生かしてはじめて何かをすること、何かを達成することができ、
さらなる進歩のためにいかなる弱みを克服すべきかを考えることができる」
もし、あなたが周囲の人とのかかわりを「強み」からスタートできたなら、
相手の自信に繋がり、より良い連携のきっかけを作れるかもしれません。
相手の「弱み」を一旦脇に置き、「強み」に着目してみる。
まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
※1『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
マーカス・バッキンガム著 (日本経済新聞社)
※2『ドラッカー名著集2 現代の経営[上]』
P.F.ドラッカー著(ダイヤモンド社)
そして、連携する相手に対して
(もっとこういう動きをしてくれたら・・・)
(もう少しミスを減らしてくれないだろうか・・・)
ともどかしさを感じることはないでしょうか。
相手の仕事が、自分の仕事の成果に直結してくるとしたら、
なおさら強く感じるのではないかと思います。
相手の弱みはわかりやすく、目につきやすいものです。
では、そんな相手の弱みを片っ端から指摘して、改善を促せば
問題は解決するのでしょうか?
ベストセラー『さあ、才能に目覚めよう』の著者マーカス・バッキンガム氏は、
「人は、自信を持って仕事に臨むことにより、はじめて成果をあげることができる」
という主旨のことを言っています。(※1)
(自分にはうまくできないのではないか・・・)
(こんなことをしたら馬鹿にされはしないか・・・)
そんな心理状態で仕事に取り組んでも、
萎縮して行動に迷いが出たり、弱い自分を隠そうと去勢を張ったりして、
思うようにパフォーマンスを発揮できない。
強みを生かして最高のパフォーマンスを発揮することが
さらに次の仕事に取り組む自信を生み出していくというのです。
とはいえ、本当に弱みを無視していいのだろうか?
という疑問も残ります。
その疑問に答えるヒントになるのが、経営学者P.F.ドラッカー教授の
以下のような主旨の言葉です。(※2)
「人は強みを生かしてはじめて何かをすること、何かを達成することができ、
さらなる進歩のためにいかなる弱みを克服すべきかを考えることができる」
もし、あなたが周囲の人とのかかわりを「強み」からスタートできたなら、
相手の自信に繋がり、より良い連携のきっかけを作れるかもしれません。
相手の「弱み」を一旦脇に置き、「強み」に着目してみる。
まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
※1『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
マーカス・バッキンガム著 (日本経済新聞社)
※2『ドラッカー名著集2 現代の経営[上]』
P.F.ドラッカー著(ダイヤモンド社)
2011/11/16
視座を変えてみる
目の前の事柄を見る目には、
「視点」
「視野」
「視座」
の3つがあると言われています。
1つ目の「視点」とは、着目している点のことで、着眼点と意味は同じです。
例えば、レストランの床が汚れていたとします。
それを発見した店員が、
「なぜ床が汚れてしまったのか?」と床が汚れた理由に着目するのと、
「なぜ床が汚れたままで放置されていたのか?」と
床が汚れたままになっていた理由に着目するのとは、
視点が違う、ということになります。
2つ目の「視野」とは、見ている範囲のことです。
サッカーを例に考えてみます。
試合中、ミスをしないようボールさばきに集中し、足元を見てプレーするのと、
ベストなパスコースを見つけるために、フィールド全体を見ながらプレーするのとでは、
視野が違う、ということになります。
3つ目の「視座」とは、どんな立場から見ているか、ということです。
ここでは、社内公用語の英語化を例に、考えてみます。
立場によって、英語化の方針を耳にした際の反応が以下のように異なってきます。
営業担当者・・・そんなことをしたら、お客様からのクレームに繋がりはしないか?
採用担当者・・・海外の優秀な学生を採用するチャンスが増えるかもしれない。
海外事業部長・・・グローバルマーケットに力を入れていくという方針が本気で
あることを現地の取引先に示す好材料になるな。
誰かをマネジメントする上で、その相手がどんな立場からものを見ているかを
理解することはとても重要です。
そのことは、上司をマネジメントする際も例外ではありません。
上司の判断の背景を理解し、次の一手を的確に打つためにも、
視座を自由に変えられるようになれば、それは大きな武器になるでしょう。
次回のテーマは、「相手の強みを伸ばす」です。
ご期待ください。
2011/11/02
ストレスコントロールとボスマネジメント
某人材紹介会社のアンケートによると、
約8割の人が職場の人間関係について何等かの悩みを抱えている、
という結果が出たそうです。
そして、仕事において誰との人間関係にもっとも悩んでいるか、
という質問には、約6割の人が「上司」と回答しています。
職場の人間関係の悩みは、大きなストレスと言えます。
このストレスが膨らむと、職場を辞めることに発展したり、
さらには心身に影響が出てしまうというケースもあるでしょう。
上司をマネジメントするというボスマネジメントの考え方は、
上司との人間関係を自分がコントロールできるようになるということです。
ということは、上司との関係による悩み=ストレスの原因、
を自分でコントロールできるようになるということです。
スポーツ心理学者ジム・レーヤー氏の著書『メンタル・タフネス』では、
ストレスへの適切な対処方法、精神力の強化について書かれています。
その中でレーヤー氏は、脳内科学に関する研究結果を参照しながら、
“無力感の恐ろしさ”について下記のようにいっています。
「脳に望ましくない変化が起こるのは、ストレスにさらされることが原因
ではないと研究者たちは結論づけている。
ほんとうの原因は無力感だ。
“私にはどうすることもできない”という感覚を一度いだいてしまうと、
それ以降にストレスに襲われたとき、避けることも逃げることもできず、
どうしようもなくなりやすい。」
そして、何か問題が起きたときにビジネスパーソンがとるべき態度の
ポイントとして
「問題の原因を変えることのできる要素に求める。他人を責めたり、
無力感に身を任せない。」
ということを、挙げています。
上司との間で問題が生じたとき、その原因を上司の性質、
といった自分が変え難いものに向けてしまうと、
それ以上自分にはどうすることもできない、コントロールができない、
という無力感がわいてきます。
一方、問題の原因を自分の行動に向けると、それは変えることができます。
上司と部下との関係は相互に影響しあって成立していますから、
自分が能動的に行動を起こすことで、
上司と自分との関係を変えること、コントロールすることが可能になるのです。
上司との関係をマネジメントし、ストレスをコントロールすることは、
ビジネスパーソンがどんな状況下でも高いパフォーマンスを発揮するために
重要なことといえるでしょう。
約8割の人が職場の人間関係について何等かの悩みを抱えている、
という結果が出たそうです。
そして、仕事において誰との人間関係にもっとも悩んでいるか、
という質問には、約6割の人が「上司」と回答しています。
職場の人間関係の悩みは、大きなストレスと言えます。
このストレスが膨らむと、職場を辞めることに発展したり、
さらには心身に影響が出てしまうというケースもあるでしょう。
上司をマネジメントするというボスマネジメントの考え方は、
上司との人間関係を自分がコントロールできるようになるということです。
ということは、上司との関係による悩み=ストレスの原因、
を自分でコントロールできるようになるということです。
スポーツ心理学者ジム・レーヤー氏の著書『メンタル・タフネス』では、
ストレスへの適切な対処方法、精神力の強化について書かれています。
その中でレーヤー氏は、脳内科学に関する研究結果を参照しながら、
“無力感の恐ろしさ”について下記のようにいっています。
「脳に望ましくない変化が起こるのは、ストレスにさらされることが原因
ではないと研究者たちは結論づけている。
ほんとうの原因は無力感だ。
“私にはどうすることもできない”という感覚を一度いだいてしまうと、
それ以降にストレスに襲われたとき、避けることも逃げることもできず、
どうしようもなくなりやすい。」
そして、何か問題が起きたときにビジネスパーソンがとるべき態度の
ポイントとして
「問題の原因を変えることのできる要素に求める。他人を責めたり、
無力感に身を任せない。」
ということを、挙げています。
上司との間で問題が生じたとき、その原因を上司の性質、
といった自分が変え難いものに向けてしまうと、
それ以上自分にはどうすることもできない、コントロールができない、
という無力感がわいてきます。
一方、問題の原因を自分の行動に向けると、それは変えることができます。
上司と部下との関係は相互に影響しあって成立していますから、
自分が能動的に行動を起こすことで、
上司と自分との関係を変えること、コントロールすることが可能になるのです。
上司との関係をマネジメントし、ストレスをコントロールすることは、
ビジネスパーソンがどんな状況下でも高いパフォーマンスを発揮するために
重要なことといえるでしょう。
2011/10/19
あなたのボスマネジメントタイプは?
「ボスマネジメント」とは一体なんなのか、ということについて前回お話してきました。
上司との関わり方も、人それぞれスタイルがあると思います。
ボスマネジメントを実践するうえで、まずは自分が上司とどのように関わっているかを
把握することが重要です。
上司との関係がうまくいっていないという人が陥りやすいタイプは、
大きく2つに分類できます。
1つ目が「反依存型」です。
これは、上司の権威に反発し、上司を敵と捉えているようなタイプです。
上司は部下を管理する立場にあります。
その性質上部下は上司に対し、上司としての機能を果たすことを求める、
という構図が生まれやすくなります。
しかし、もしも上司が思うような機能を果たしてくれなかったとしたら。
「(上司の)○○さんがきちんと指示をしてくれないから、仕事が進まない」
「○○さんはえらそうにしているだけで、私に仕事を任せてばかりだ」
というように上司の行動や態度を否定的に捉えます。
そして、反発心が膨らみ対立に発展することもあります。
この反依存型タイプの場合、上司と常に緊張状態が続き、協力関係を築くのは
難しくなります。
2つ目が「過剰依存型」です。
これは、上司に従順であろうとするタイプです。
たとえ上司の指示に疑問があったり、むっとしたりしても、反対意見を言うことなく
追従してしまうのです。
このタイプは従順なだけでなく、上司に過剰な期待を持ちます。
「上司は自分のことをきちんと把握してくれている」
「上司は自分のキャリアについていつも考えていてくれる」
「上司はすばらしいアイデアや答えを持っているはずだ」
実際には上司も人間ですから完璧なはずはないのですが、
上司への期待が大きくなり、部下が上司に過剰に依存する、という関係に陥ります。
そして、部下自身が自ら考えたり判断したりすることが難しくなってしまうのです。
反依存型、過剰依存型、どちらも、自分の中の上司像、上司とはこういうものだ、
というイメージで判断をしています。
これは極端な例ではありますが、
自分の反依存度、過剰依存度はどのくらいか?
ということを考えてみると、自分のタイプがみえてくるのではないでしょうか。
※参考文献 Harvard Business Review 2010 vol.5
上司との関わり方も、人それぞれスタイルがあると思います。
ボスマネジメントを実践するうえで、まずは自分が上司とどのように関わっているかを
把握することが重要です。
上司との関係がうまくいっていないという人が陥りやすいタイプは、
大きく2つに分類できます。
1つ目が「反依存型」です。
これは、上司の権威に反発し、上司を敵と捉えているようなタイプです。
上司は部下を管理する立場にあります。
その性質上部下は上司に対し、上司としての機能を果たすことを求める、
という構図が生まれやすくなります。
しかし、もしも上司が思うような機能を果たしてくれなかったとしたら。
「(上司の)○○さんがきちんと指示をしてくれないから、仕事が進まない」
「○○さんはえらそうにしているだけで、私に仕事を任せてばかりだ」
というように上司の行動や態度を否定的に捉えます。
そして、反発心が膨らみ対立に発展することもあります。
この反依存型タイプの場合、上司と常に緊張状態が続き、協力関係を築くのは
難しくなります。
2つ目が「過剰依存型」です。
これは、上司に従順であろうとするタイプです。
たとえ上司の指示に疑問があったり、むっとしたりしても、反対意見を言うことなく
追従してしまうのです。
このタイプは従順なだけでなく、上司に過剰な期待を持ちます。
「上司は自分のことをきちんと把握してくれている」
「上司は自分のキャリアについていつも考えていてくれる」
「上司はすばらしいアイデアや答えを持っているはずだ」
実際には上司も人間ですから完璧なはずはないのですが、
上司への期待が大きくなり、部下が上司に過剰に依存する、という関係に陥ります。
そして、部下自身が自ら考えたり判断したりすることが難しくなってしまうのです。
反依存型、過剰依存型、どちらも、自分の中の上司像、上司とはこういうものだ、
というイメージで判断をしています。
これは極端な例ではありますが、
自分の反依存度、過剰依存度はどのくらいか?
ということを考えてみると、自分のタイプがみえてくるのではないでしょうか。
※参考文献 Harvard Business Review 2010 vol.5
2011/10/05
マネジメントに必要な能力 「カッツ・モデル」
マネジメントをする際に必要なスキルには一体どんなものがあるでしょうか?
今日は、マネジメントの人材開発を論じる際にたびたび引用される
ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏がまとめた「カッツ・モデル」について
取りあげたいと思います。
「カッツ・モデル」では、まずマネジメントに必要な能力を、
①テクニカルスキル
②ヒューマンスキル
③コンセプチュアルスキル
の3つに分けて考えます。
①テクニカルスキル
②ヒューマンスキル
③コンセプチュアルスキル
の3つに分けて考えます。
テクニカルスキルとは、担当業務を遂行する上で必要な知識や技術のこと。
ヒューマンスキルとは、仕事上の人間関係を構築する技術で、
人を観察、分析し、望ましい働きかけを選択、実行する技術のこと。
コンセプチュアルスキルとは、仕事を取り巻く状況を構造的、概念的に捉え、
取り組むべき課題の本質を見極める技術のことです。
では、これら3つのスキルのうち、どれが重要なのでしょうか?
それは、「マネジメントレベルによって異なる」というのが、カッツ氏の答えです。
つまり、あなたが後輩の育成担当に指名されたときと、晴れて管理職に昇進した際と、
ついに役員に就任したときとでは、注意を向けるべきスキルが異なるということです。
具体的には、下の図を見てください。
マネジメントレベルが低いときにはテクニカルスキルが重要になり、
マネジメントレベルが高くなるほど、コンセプチュアルスキルの重要度が増します。
そして驚くべきは、ヒューマンスキルだけは、常に重要であるということです。
あたりまえと言えばあたりまえのことですが、人間関係構築については
組織で働く以上、常に研鑽し続けなければいけないことを物語る
重要な考え方とも言えます。
つまり、何か一つのヒューマンスキルを学習し、身につけたからと言って
それで終わりということではなく、ヒューマンスキルの研鑽は、
仕事人生を通じて継続していくべきものであるということなのです。
2011/09/21
組織におけるボスマネジメントの効果
前回「ボスマネジメントとは」の最後に、
組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だということについてお話しました。
組織において、ボスマネジメントによってもたらされる効果とは、何でしょうか?
それを一言で表現するならば、「情報の疎通性が飛躍的に向上する」ということです。
具体的には、
・日々刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速な意思決定を行えるようになる
・マネジメントラインの意思疎通が確実に取れ、組織としての一体感が増す
・経営に対する現場の信頼感が増し、前向きな提案が上がりやすくなる
などという例が挙げられます。
組織構成員のボスマネジメント力が向上すると、上司とのかかわりが
能動的かつ戦略的になり、 上司を通じた情報の流れがスムースになることで、
上記のような効果がもたらされるのです。
ボスマネジメントだけで、そんなに効果があるだろうか?と
疑いを持たれた方もいるかもしれません。
では、ここで“ボスマネジメントがなかった”ことで
組織の成果を上げられなかったケースをご紹介したいと思います。
【ケース】
業績好調な部門のトップであるA部長の元に、あるときB課長が配属されてきました。
ところが、AさんとBさんは馬が合わず衝突を繰り返し、BさんはAさんを
避けるようになりました。
それからしばらくの間、Bさんは多くの時間を部下のマネジメントに費やし、
Bさんの部下たちもそんな面倒見の良いBさんを慕って
うまくいっているように見えたのですが…
BさんがAさんを避けるようになったことで、情報の流れが遮断され、
組織が成果を上げるために必要な行動や優先順位がBさんに伝わらなく
なっていきました。
影響は、課長のBさんに対してだけでは ありませんでした。
Bさんの部下全員の業績が下がるばかりか、その影響でAさん率いる
部門全体の業績も大幅に低迷することになってしまったのです。
これは、極端なケースではありますが、多かれ少なかれ馬が合わない
上司と一緒に仕事をしなければいけないことはあると思います。
その時に、ボスマネジメントの視点がないとその影響は組織全体に
広がってしまうということがイメージ頂けたのではないでしょうか。
次回のテーマは、「あなた自身のボスマネジメントタイプを知る」です。
ご期待ください。
組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だということについてお話しました。
組織において、ボスマネジメントによってもたらされる効果とは、何でしょうか?
それを一言で表現するならば、「情報の疎通性が飛躍的に向上する」ということです。
具体的には、
・日々刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速な意思決定を行えるようになる
・マネジメントラインの意思疎通が確実に取れ、組織としての一体感が増す
・経営に対する現場の信頼感が増し、前向きな提案が上がりやすくなる
などという例が挙げられます。
組織構成員のボスマネジメント力が向上すると、上司とのかかわりが
能動的かつ戦略的になり、 上司を通じた情報の流れがスムースになることで、
上記のような効果がもたらされるのです。
ボスマネジメントだけで、そんなに効果があるだろうか?と
疑いを持たれた方もいるかもしれません。
では、ここで“ボスマネジメントがなかった”ことで
組織の成果を上げられなかったケースをご紹介したいと思います。
【ケース】
業績好調な部門のトップであるA部長の元に、あるときB課長が配属されてきました。
ところが、AさんとBさんは馬が合わず衝突を繰り返し、BさんはAさんを
避けるようになりました。
それからしばらくの間、Bさんは多くの時間を部下のマネジメントに費やし、
Bさんの部下たちもそんな面倒見の良いBさんを慕って
うまくいっているように見えたのですが…
BさんがAさんを避けるようになったことで、情報の流れが遮断され、
組織が成果を上げるために必要な行動や優先順位がBさんに伝わらなく
なっていきました。
影響は、課長のBさんに対してだけでは ありませんでした。
Bさんの部下全員の業績が下がるばかりか、その影響でAさん率いる
部門全体の業績も大幅に低迷することになってしまったのです。
これは、極端なケースではありますが、多かれ少なかれ馬が合わない
上司と一緒に仕事をしなければいけないことはあると思います。
その時に、ボスマネジメントの視点がないとその影響は組織全体に
広がってしまうということがイメージ頂けたのではないでしょうか。
次回のテーマは、「あなた自身のボスマネジメントタイプを知る」です。
ご期待ください。
2011/09/07
ボスマネジメントとは
ボスマネジメントとは、“上司とのかかわりを能動的かつ戦略的に行う手法”のことです。
一般的に、上司は部下に対して評価や指揮命令などの権限を持っているため、
部下は上司の指示やスタンスに“受身的”にならざるを得ません。
また、生産性向上の要請から、部下一人がこなすべき仕事量は増えているため、
上司とのかかわりを“戦略的”に行うほどの時間的、心理的な余裕がないのが
現実です。
まさにこの“2つの常識”を疑ってかかることが、ボスマネジメントの出発点となります。
「どうすれば“能動的かつ戦略的に”自分の上司とかかわることができるか?」
この問いを自分の中に内在化させることからボスマネジメントは始まります。
一方で、ボスマネジメントについてこんな思いを抱く人もいます。
「上ばかり意識するのは、社内政治ばかりやっている卑怯者のすることじゃないか?」
これは大きな誤解です。
ボスマネジメントの目的は、社内政治をうまく行うためでも、自分の評価を上げる
ためでもありません。
その本来の目的は、“成果”を上げることです。
ここで言う成果とは、いわゆる“成果主義人事制度”などで用いられる個人の
仕事上の成果や業績に限定されません。
P.F.ドラッカーは、その著書で次のような趣旨のことを言っています。
組織の成果とは、組織の使命を果たすことで社会に貢献することである。
組織で働く人の成果とは、組織が使命を果たすために必要な貢献のことである。
つまり、組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
利己的なものどころか、「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だと言えるのです。
次回は、「組織におけるボスマネジメントの効果」です。
ご期待ください。
一般的に、上司は部下に対して評価や指揮命令などの権限を持っているため、
部下は上司の指示やスタンスに“受身的”にならざるを得ません。
また、生産性向上の要請から、部下一人がこなすべき仕事量は増えているため、
上司とのかかわりを“戦略的”に行うほどの時間的、心理的な余裕がないのが
現実です。
まさにこの“2つの常識”を疑ってかかることが、ボスマネジメントの出発点となります。
「どうすれば“能動的かつ戦略的に”自分の上司とかかわることができるか?」
この問いを自分の中に内在化させることからボスマネジメントは始まります。
一方で、ボスマネジメントについてこんな思いを抱く人もいます。
「上ばかり意識するのは、社内政治ばかりやっている卑怯者のすることじゃないか?」
これは大きな誤解です。
ボスマネジメントの目的は、社内政治をうまく行うためでも、自分の評価を上げる
ためでもありません。
その本来の目的は、“成果”を上げることです。
ここで言う成果とは、いわゆる“成果主義人事制度”などで用いられる個人の
仕事上の成果や業績に限定されません。
P.F.ドラッカーは、その著書で次のような趣旨のことを言っています。
組織の成果とは、組織の使命を果たすことで社会に貢献することである。
組織で働く人の成果とは、組織が使命を果たすために必要な貢献のことである。
つまり、組織で働く多くのビジネスパーソンにとって、ボスをマネジメントすることは
利己的なものどころか、「仕事を通じて社会に貢献する」ための手段だと言えるのです。
次回は、「組織におけるボスマネジメントの効果」です。
ご期待ください。
2011/09/01
運営者紹介
私はライフワークとして、「ボスマネジメント」をはじめ、
周辺のマネジメント理論の探究を行っています。
本コラムでは、具体的なボスマネジメントの方法や
その他周辺のマネジメント理論をご紹介しながら、
「周囲の人の力を上手に活用して成果を上げる方法」
を探求していきたいと思います。
周辺のマネジメント理論の探究を行っています。
本コラムでは、具体的なボスマネジメントの方法や
その他周辺のマネジメント理論をご紹介しながら、
「周囲の人の力を上手に活用して成果を上げる方法」
を探求していきたいと思います。
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